製品概要
SCM45A Proは、ATCが2015年に発表した中型の3ウェイ・アクティブ・スタジオモニター。左右に2基の164mmカーボンペーパーコーンLF、中央に75mmソフトドームMFと25mmデュアルサスペンションHFを配置し、前面には2本のバスレフポートを備える。近距離から中距離のモニタリング、LCR、サラウンド用途を想定する。
各帯域は150W/60W/25WのディスクリートMOSFET Class A/Bアンプで個別に駆動され、380Hzと3.5kHzで4次のアクティブクロスオーバーを行う。デジタル入力や室内補正DSPを持たず、バランスXLRのアナログ入力、入力感度、40HzのLFブーストという構成である。
仕様
- システム
- 3ウェイ・アクティブ、フロントバスレフ型スタジオモニター
- ドライバー
- LF:164mmカーボンペーパーコーン×2、MF:75mmソフトドーム、HF:25mmデュアルサスペンション・ソフトドーム
- 再生周波数範囲
- 42Hz〜25kHz(-6dB、自由空間)
- 振幅直線性
- 70Hz〜17kHz(±2dB)
- 公称放射角
- 水平±80°、垂直±10°(コヒーレント)
- 最大連続音圧
- 112dB(ペア、1m)
- アンプ
- LF:150W、MF:60W、HF:25W、ディスクリートMOSFET Class A/B
- クロスオーバー
- 380Hz、3.5kHz、4次・位相補償付きクリティカリー・ダンプド
- 音声入力
- バランスXLR、入力インピーダンス10kΩ超、基準感度1Vrms
- 調整
- 入力感度0〜-6dB、40Hz LFブースト0〜+3dB、連続可変
- 外形寸法
- 353 × 600 × 375mm(高さ × 幅 × 奥行、ハンドル除く)
- 重量
- 36kg(1本)
設計・技術
75mmソフトドームMF

75mmソフトドームMFは380Hz〜3.5kHzを担当し、SCM45A Proの基準リスニング軸にも指定される。コーン型より大きなドームを専用中域として使い、低いクロスオーバーからHF手前までを1基で受け持つ。設置時はこのMFドームを耳の高さか、わずかに上へ合わせる。
2基の164mm LF
左右の164mm LFは同じ信号を受け、2基分の振動板面積で380Hz以下を担当する。ATCはSCM25A Proに対してLFを2基へ増やすことで、同じ音圧に必要な各ドライバーの振幅を減らし、低域拡張と最大音圧を高めたと説明している。前面の2本のポートにより、壁内設置時にも開口を塞がない構成である。
25mmデュアルサスペンションHF
25mm SH25-76SソフトドームHFは、ボイスコイルとドームを上側と下側の2点で支持する。ATCは可動部の不要なロッキングを抑えるための構造としており、SCM45A Proは同社の3ウェイ・プロモニターでこのHFを初めて採用したモデルだった。
235WのディスクリートClass A/B 3チャンネル
内蔵アンプはLF 150W、MF 60W、HF 25WのディスクリートMOSFET Class A/B構成。ラインレベルで帯域分割してから各ドライバーを直接駆動する。アンプとドライバーを製品内で固定できるため、帯域ごとの利得、保護、クロスオーバー条件を専用構成として設定している。
DSPを使わない4次アクティブクロスオーバー
クロスオーバーは380Hzと3.5kHzで、位相補償を加えた4次クリティカリー・ダンプド特性。入力はアナログXLRのみで、デジタル信号処理やネットワーク補正を介さない。調整は入力感度と40HzのLFブーストに絞られている。
左右対称の横型バッフル
2基のLFを中央のMF/HFに対して左右対称に置き、左用と右用をミラー構成に分けていない。同一モデルをL、C、Rへ使えることを前提とし、コンソール後方のスタンド、メーターブリッジ、壁内設置に対応する。音響軸は中央のMFドームである。
近距離から中距離、サラウンドまで
ATCは、コントロールルームの近距離モニター、中規模室のLCR、より大きな室内のサラウンドチャンネルを主用途としている。キャビネットは36kgあり、机上へ直接置くより、反射面から離したスタンド設置または設計された壁内設置を推奨している。
出典
- 01ATCSCM45A Pro
メーカー公式製品ページ · 2026年8月15日確認
- 02ATCSCM45A Pro Technical Data Sheet
公式仕様書 · 2026年8月15日確認
- 03ATCATC Launches SCM45A Pro High-Performance Three-Way Active Loudspeaker
メーカー公式プレスリリース · 2026年8月15日確認
- 04ATCSCM45A Pro Supplementary Sheet
公式マニュアル · 2026年8月15日確認
