東京・恵比寿のBAR DANROは、隠れ家的なバーの雰囲気と上質なホテルラウンジの印象を組み合わせた店舗として設計された。石造りの暖炉とソファ席を中心に構成された空間では、音響機器も内装の一部として目立たないことが求められ、インテリアデザインを担当したcafe.coはK-arrayの薄型で小型の製品群を指定した。
cafe.coは展示会でK-arrayに触れ、スリムな形状と音質に着目していた。施工は東京のインテグレーターSURD Co., Ltdが担当し、同社はK-arrayで15年以上の経験を持つ。メインバーではVyper KV25 II超薄型ラインアレイスピーカーとRumble KU26サブウーファーを暖炉周辺に配置し、各テーブルで音楽の存在感を出しながら、会話を過度に邪魔しない範囲で隣席の声を緩やかにマスクする狙いとした。入口付近には高さ160cmにVyper KV25 IIを設置し、VIPエリアにはLyzard KZ1 I小型ラインアレイスピーカーとTruffle KTR24コンパクトサブウーファーを使用した。残るトイレ、厨房、通路などにはGC5とGC3天井スピーカーが使われている。
システムは5台のアンプで全ゾーンに音声を分配し、メインエリアはバーのスタッフが操作し、VIPエリアでは利用者が音量調整やミュートを個別に行える。SURDはコンサートホールで用いる手法に近い測定マイクによるキャリブレーションを実施し、反射のある表面や客数の変化を考慮してカバレージを整えた。視覚的な存在感を抑えながらゾーンごとの制御と調整を両立した点が、この店舗用途での実用上の要点になっている。
