ファッションブランドEDIKTEDがニューヨーク5番街に開いた旗艦店へ、K-arrayの設備音響システムが導入された。歴史的なCharles Scribner's Sons Buildingを使う店舗で、約9mの吹き抜け、硬い壁面、金属やガラスを多用した内装が音響設計の前提となった。
スピーカーを少数の場所へ集中させると、近くでは音が強く、離れた売場では不足しやすい。さらに反射面へ強い音を当てれば残響も増える。そこで客の動線に沿って小型スピーカーを分散し、必要な場所へ短い距離から音を届ける構成が選ばれた。
システムは細身のVyper-KV102W IIコラム10台、KGEAR GH4W 12台、Rumble-KU210Wサブウーファー6台で構成する。Vyperは壁面や柱に沿わせ、GH4Wは補助エリア、KU210Wは低域を受け持つ。機器の存在感を抑えながら、店内全体の帯域を確保する組み合わせだ。
駆動と信号処理にはKommander-KA208アンプを採用した。内蔵DSPの機種別プリセットを使い、フロア内を複数ゾーンに分けて音量を管理する。通常営業、混雑時、イベント時で必要なレベルが変わっても、スピーカーを増減せず運用側で調整できる。
この事例の要点は、音圧の大きさではなく、建築と売場運営に音響を合わせたことにある。目立ちにくいスピーカーを近接配置し、DSPでエリアごとに整える手法は、意匠を崩せない店舗、ホテル、展示空間に共通する設備音響の考え方だ。
