WSDGが手がけたSongBoy Studiosは、Cornell Universityで建築を学び、ツアー・ミュージシャンを経てプロデューサーとなったRich Tuortoのための新しい制作拠点だ。TuortoはProspect Heightsの自宅で制作を続けてきたが、事業の拡大と創作上の構想に合わせ、専用のプロフェッショナルなスペースが必要になった。現在はAtlantic Recordsの関連会社Assemble Soundがマネジメントし、Atlanticと連携したアーティスト開発を進めている。

設計はWSDGのパートナー兼プロジェクトマネージャーWill Brownが主導し、音響設計、構造音響、室内音響、技術内装、AV設計までを一括して担当した。施工はStudios by Sonic、AVインテグレーションはFull NormalのMatt Schaeferが担った。施設は大きなメイン・コントロールルームと、フルドラムキットを収められるアイソレーション・ブースを中心に構成され、PMCのスピーカー、Genelecのサブウーファー、Yamahaピアノ、アナログ・アウトボード機材を備えたハイブリッド制作ワークフローに対応する。

空間面では、オーク材の壁面パネル、ヘリンボーンの木床、カスタムデスク、照明、ミルワークのバー、キッチンや食事スペースを組み合わせ、長時間の制作に向いた居住性を重視している。音響処理は過度に布張りへ寄せず、Helmholtzレゾネーターと反射面をコントロールルームとブースに配置し、ミックス時の再生精度と演奏時の部屋鳴りの両立を狙った。追加のコンジットも各所に通されており、将来の機材追加や配線変更を壁や天井の解体なしで行える点が、実運用上の意味を持つ。