Klippelは、9月12〜13日に中国・深圳で開催される第11回International Symposium on Electroacoustic Technologies(ISEAT 2026)への参加内容を発表した。同社のChristian Bellmann氏が研究発表を行い、2日目にはスピーカーの指向性測定をテーマとするマスタークラスを担当する。

発表論文の題名は「Acoustic Center Localization for Holographic Directivity Measurements of Loudspeakers」。球面波展開の基準点となる音響中心を適切に求め、表現に必要な展開次数と測定時間を抑える手法を検討する。伝搬遅延を使う方法と、球面調和係数から展開中心を最適化する方法を、シミュレーションと実測データで比較する内容だ。

9月13日のマスタークラスでは、従来の無響室ターンテーブル測定から、近接場ホログラフィによる新しい手法までを一通り扱う。二重層スキャン、球面波分解、ホログラフィック後処理を用いて、非無響環境で得た近接場データから自由音場の放射特性を再構成する流れが示される。

解析項目には、空間伝達関数、軸上周波数特性、音響パワー、指向性が含まれる。スピーカーと室内音響の関係だけでなく、ビームステアリングをはじめとする3Dオーディオへの応用も議題となる予定だ。

指向性測定は、正面の周波数特性だけでは見えない空間へのエネルギー分布を捉えるための基礎になる。測定点数、測定環境、計算量のバランスをどう取るかというISEATのテーマは、開発速度と結果の信頼性を両立させたい設計現場に直結する。