フランスの歌手Vanessa Paradisの2026年ツアーで、SennheiserのSpecteraワイヤレスシステムが採用された。モニターを担当するMatthieu Speckを中心に、FOHのJulien Decarne、RFのNelly Robert、シーケンスのFrançois Kerjanがチームを組み、アリーナとフェスティバルの現場で新しいワイヤレス技術を実運用に組み込んでいる。Paradisは長く有線マイクで歌ってきたため、ステージでワイヤレスマイクを受け入れること自体が大きな移行だった。
システムは2台のSpectera Base Stationとバックアップ機、28台のSEKボディパックで構成され、ボーカルには2本のSpecteraハンドヘルドマイクを使用する。モニターは96 kHzで運用され、パーカッションとブラスには8本のNeumann MCM 114、客席のアンビエンスには4本のMKH 8018ステレオショットガンマイクを配置する。客席上段は2本のMKH 8018をナローXY、アリーナ席側は2本をワイドXYに設定し、会場の自然な音像をミックスの明瞭さを損なわずに取り込む狙いだ。
Specteraはワイドバンド技術により、1つのRFチャンネル内で双方向オーディオと制御データをタイムスロットで扱う。従来型の周波数プランに依存するRF調整を置き換え、パック展開、マイク準備、手動同期の負担を減らすことで、チームはステージ管理、サウンドチェック、リスニングに集中しやすくなる。SK 6000を使うバックライン通信とも併用され、SEKボディパックでは演奏者自身が主要設定を扱える一方、Remote Lockで本番中の重要機能はRF担当者が遠隔で保護できる。
