What Hi-Fi?は8月14日、Toppingの旗艦D/AコンバーターD900のレビューを公開した。本機と下位のD90MKIIIが採用するPSRM(Precision Stream Reconstruction Matrix)は、デジタル音声を1ビットのパルス列へ変換し、その密度で波形レベルを表す独自のディスクリート方式である。D900は完全バランス構成とし、D90MKIIIの倍にあたる32基の高速スイッチング電圧リファレンスを各チャンネルへ割り当てる。

入力は同軸2系統、光2系統、USB-B、USB-C、AES/EBU、I²Sに加え、LDACとaptX HD対応のBluetooth 5.1を備える。PCMは最大32bit/768kHz、DSDはDSD512まで受ける。アナログ出力はバランスXLRのみで、固定と可変を選択可能。可変出力ならプリアンプを介さずパワーアンプやアクティブスピーカーへ接続できる一方、RCA入力しか持たないシステムでは変換アダプターが必要になる。

金属筐体の仕上げと操作感は高く評価され、内蔵パラメトリックEQも利用できる。2インチ画面は鮮明だが、離れた位置から読むには小さいという。What Hi-Fi?はNaim、Cyrus、MacBook Proをデジタルソースに使い、ATC SCM50やEpos ES-14Nを含む複数のアンプ/スピーカー系で、Chord Qutest、Hugo 2などと比較した。

試聴では、複雑な録音から多くの質感と細部を引き出し、微小な強弱を滑らかに追う点が強みとなった。音調は中立で、音場は広く、密度の高い楽曲でも定位が安定。高域は滑らかさと鋭さを両立し、中域も明瞭だった。一方、低域は深く伸びるものの競合機ほど締まりと力感がなく、アップテンポな曲では勢いとリズムの推進力が控えめで、Chordの2機種より抑制的に聞こえたとされる。

同誌は解像度、流麗さ、対応ファイル、仕上げを価格帯上位と評価しつつ、万能機ではないとして音質4点、機能と仕上げ各5点を与えた。なお、PSRM方式だけの音質効果を、電源やアナログ出力段など他の回路から切り分けることはできないとも明記している。D900は方式の新規性だけでなく、可変XLRを通じてアンプやアクティブスピーカーへ渡す再生信号の品質と制御までを一体化したDACとして捉えるのが妥当だ。