eCousticsは8月17日、ATC SCM20ASLのレビューを公開した。同機はアナログ信号をラインレベルのアクティブクロスオーバーで分割し、専用アンプから各ドライバーへ送る2ウェイのアクティブスピーカーだ。外部パワーアンプとスピーカーケーブルを不要にする一方、音量調整機能を持つプリアンプ、DAC、ネットワークプレーヤーなどを上流に必要とする。

密閉型の20Lキャビネットには、6インチSB75-150SL Super Linearミッド/バスドライバーと1インチSH25-76S S-Specソフトドームツイーターを搭載する。クロスオーバー周波数は2.2kHz。ミッド/バスは3インチのボイスコイルとATCのアンダーハング磁気回路を使い、筐体は内部ブレース、制振材、ビチューメンパネルで補強される。1台53.6lbと重いため、剛性と安定性のあるスタンドが前提になる。

背面のアンプパックには2基のディスクリートClass A/B MOSFETアンプを収め、ミッド/バスへ200W、ツイーターへ50Wを割り当てる。入力はバランスXLR 1系統に絞られ、RCA、USB、HDMI、ストリーミング、Bluetoothは備えない。最大出力時の入力感度は1〜4Vrms、低域シェルフは−2〜+3dBを1dB刻みで調整でき、設置境界に合わせた低域補正を本体側で行える。

eCousticsは、低音量でも明瞭さとダイナミックな存在感が後退せず、音量を上げても楽器の分離と低域の速度を保ったと評価した。低域は締まり、速さ、量感を兼ね備え、多くの部屋ではサブウーファーを必要としないとの見方を示す。声やピアノの質感、定位の安定性にも優れる一方、録音や上流機器の弱点は隠さない。試聴時の音場は奥行きが浅めだったが、同誌はスピーカーそのものより設置上の制約が影響した可能性を挙げている。

価格は1組10,999ドル。ワイヤレス機能やルーム補正を含む一体型ではなく、XLRアナログ入力の先でクロスオーバー、増幅、独自ドライバーを一体設計した製品である。プロ用モニターと家庭用再生の双方にまたがるSCM20ASLの価値は、機能数よりも、アンプとスピーカーの組み合わせをメーカー側で固定し、低音量から高出力まで同じ再生系として制御する点にある。