Bayerischer Rundfunkのラジオ中継車Ü5は、Lawoプラットフォームを軸にしたソフトウェアベースの制作環境へ更新された。対象はスポーツ中継、コンサート制作、Klassik am Odeonsplatzのようなクラシック野外公演などで、プロジェクトは既存車両の単なる改修ではなく、2007年に製造された車体とボディを残したうえで内部の技術インフラを一から再構成する内容だった。

中核には48フェーダーのmc²56 MkIII制作コンソールと、標準CPUサーバー上で動作するHOME mc² DSPアプリが置かれている。HOME mc² DSPは最大384処理チャンネル、最大1,280入出力のライセンス構成で、Power Coreゲートウェイが車載I/OとステージボックスI/Oを担い、別のPower Coreが通信系に使われる。HOME Multiviewer、HOME Stream Transcoder、SDI接続と音声エンベッド/ディエンベッド用の.edgeも組み込まれ、音声と映像はSMPTE ST 2110とAES67でIPネットワーク上を流れる。

Ü5にはメインの音声エンジニア用mc²56 MkIII、バランスエンジニア用、技術・録音用の3つの主要ワークステーションがあり、全席が集中DSPエンジンを共有する。各ステージボックスは最大48マイク入力と16ライン出力を備え、MADIとDanteにもサンプルレート変換付きで対応するため、IP音声、ローカル機器、中央DSPをつなぐ中継点になる。録音では複数ワークステーションにまたがって最大192チャンネルを扱え、個別録音やコンソールからのマーカー挿入に対応し、1月のBR Klassik室内楽録音、2月のバイエルン国立歌劇場からのライブオペラ放送、ジャズ制作で実運用されている。