記事は、NBC Studiosの30 RockでSaturday Night Liveの音声チームと出会い、その後Late Night With Jimmy Fallonのモニターエンジニアを務めることになった筆者の経験から始まる。テレビ収録の現場では、ライブ観客、演者、カメラ、舞台進行、ブースの音声スタッフが同時に動いており、モニター担当は演奏者への音作りだけでなく、番組進行を支える通信系も扱う立場になる。
初期のシステムではYamaha PM1Dを使用し、BTSのコミュニケーションパネルから9ピン-XLRMの特注ケーブルを通じて、ディレクターやステージマネージャー、A2、他のミキサーの声をIEMに入れていた。その後、Avid Profile、DiGiCo SD7へ移行し、Mackieの小型ミキサーやコンソール内マトリクスを使って、キュー、コミュニケーション、モニター・トークバック、ワイヤレスのシャウトマイクを整理する構成へ発展した。MD用にはオンエア用マイク、バンド向けトークバック、ブース向けの分岐を組み合わせ、番組の進行変更や音楽キューを即座に伝えられるようにしている。
実務上の要点は、バンドのIEMを単なる演奏用ミックスにしないことにある。番組用マイク、ビデオ再生、効果音、観客マイク、ディレクター・フィード、クリックやカウントなどを必要量だけ加え、各プレイヤーやセクションには足元スイッチ式のトークバックを用意する。さらに、番組素材を一時的に10 dB下げるノンラッチのマクロを使い、演奏者同士が小さな声で確認できる時間を作るなど、放送現場ではルーティング、パン、レベル、EQ、ゲート、リミッターが進行管理と聴覚保護の両方に直結する。
