米カリフォルニア州ナパで新たに開業したNapa Music Hallが、d&b audiotechnikの常設PAを導入した。会場は1879年築の旧オペラハウスを再生した建物で、立見650人のBallroomと160席のClubという規模も用途も異なる2空間を持つ。
Ballroomのメインには、CCL8とCCL12によるコンパクト・カーディオイド・ラインアレイを採用した。低域にはKSL-GSUBをステージ下へ設置し、U5と8Sを補助スピーカーとして用いる。CAVSはモデリングと試聴を経てCCLを選び、設備の重量と大きさを抑えながら客席の視線を確保したとしている。
小規模なClubは、12S、10S、8Sのポイントソース・ラウドスピーカーで構成した。低域はBi6-SUBを3台使ったカーディオイド配列で補う。Ballroomと同一方式を縮小するのではなく、座席数と部屋の形に合わせて放射方式を分けた点が設計の要点だ。
歴史的建築では、吊り荷重、取付位置、意匠、視線を同時に扱う必要がある。記事では、CCLの寸法と重量によって大規模な構造補強を避けられたと説明しており、スピーカー選定が音響性能だけでなく建築条件にも左右されたことが分かる。
一方、記事には客席カバレージの実測値、最大音圧、調整後の周波数応答は掲載されていない。各機種の配置と役割は確認できるが、均一性や音質に関する評価は導入側の説明に基づく。2会場を個別設計した判断と、実測性能は分けて読む必要がある。
