Phil Collinsの音楽人生を扱う『The Phil Collins Story』は、映像、ライブ演奏、演劇的要素を組み合わせた公演として北米を巡っている。記事では、物語の進行に音が大きく関わる制作として位置づけられており、音響システムはClair Globalが提供している。
中核となるのはDiGiCo Quantum225で、FOHとモニターの両方に使われている。モニター側ではDMI-KLANGカードと、ステージ上のミュージシャンが使用するKLANG:app搭載iPadを組み合わせる。FOHエンジニアのTheodore “Ted” Woolseyはサウンドデザインも担当し、A2のEthan Ginsburg-Margoと運用している。ショーは音響、照明、映像が独立して動き、音楽監督のLogicセッションからのクリックが6人のバンド、照明、映像の各オペレーターに送られる。FOHにはBricastiリバーブやYamaha SPX2000に加え、Wavesプラグインも使われている。
KLANGは、専任のモニターエンジニアなしで各ミュージシャンが自分のモニターミックスを調整できる仕組みとして導入されている。DMI-KLANGからCat 5でアクセスポイントへ送り、同じI/Oを共有する各iPadに接続する構成だ。リハーサルで曲ごとの個別ミックスを作り、スナップショットに保存しておくことで、曲が変わるたびにモニター設定も自動的に切り替わる。複数メディアが同期するツアーで、演奏者の調整権を残しながらFOH作業に集中しやすくする、実務的なワークフローになっている。
